優越感・怒り・支配欲|「上司力の低い上司」との付き合い方

上司力の低い上司

皆さんの周りには「上司力が低い上司」はいませんか?

ここで言う上司力とは、大雑把に言えば

  • チーム(部署)の目標を明確にし
  • チーム全体の業務の最適化を図り
  • 部下を育成

こういった役割を果たし、チームの目標達成に貢献する能力のことです。

その反対である「上司力が低い上司」とは、こういった役割をほとんど、または全く果たさず、部下のモチベーションを下げるような言動を繰り返す上司のことです。

部下のモチベーションを下げるような発言を繰り返す上司

今回の記事では「上司力の低い上司」について、典型的なタイプを挙げ、その心理や対策を考えてみました。

目次

なぜ「上司力の低い上司」が生まれるのか

「上司力の低い上司」はなぜ生まれるのでしょうか?

多くの場合、プレーヤーとして優秀だった人が昇進し、マネジメントのスキルや心構えを十分に身につけないまま管理職になってしまうことが最大の原因ではないかと思われます。

また、組織の評価基準が成果主義に偏りすぎている場合、部下育成やチームビルディングの重要性が軽視されがちです。

その結果、部下の成長やチーム全体のパフォーマンスよりも、自分の立場や成果を守ることに意識が向いてしまうのです。

プレーヤーとしての能力とマネジメント能力は別

プレーヤーとして優秀な人が必ずしも良い上司になるとは限りません。個人で成果を出す力と、チームをまとめて部下を育てる力は全く異なるスキルです。

マネジメントには、目標設定や進捗管理、コミュニケーション能力、部下のモチベーションを高める力などが求められます。

プレーヤー/マネージャー:求められる能力の比較

役割求められる能力
プレーヤー
(部下・一般社員)
個人の成果を出す・専門知識・スキル
マネージャー
(上司・管理職)
チーム全体の成果を最大化する、部下育成・目標管理・調整力・達成力

こういった違いを理解せずに昇進してしまうと、上司力の低い管理職が生まれてしまうのです。

Part1:優越感に浸りたがる上司

「自分は偉い」
「自分の方が優れている」

こういった優越感に浸りたがる上司は、部下のやる気や自尊心を奪いがちです。

このタイプの上司は、部下を見下す発言や態度をとることで自分の立場を守ろうとします。
本来、上司は部下の成長を支援し、チームの成果を最大化する役割ですが、優越感にとらわれるとその本質を見失ってしまいます。

このような上司のもとでは、部下が萎縮し、職場の雰囲気も悪化しやすいのが特徴です。

部下を見下すのは自信のなさの表れ?

部下を見下す上司の多くは、実は自分に自信がありません。

自分の立場や能力に不安を感じているため、他人を下げることで相対的に自分を高く見せようとします。
この心理は、自己肯定感の低さや過去の経験に起因することが多いです。

部下としては、上司の言動を真に受けすぎず、冷静に距離を取ることが大切です。

真に受けると、自尊心を削り取られる危険あり

部下を下げつ発言しつつ、優越感に浸る。

そんな上司の言動を真に受けてしまうと、部下の自尊心は大きく傷つきます。

「自分はダメだ」
「上司に認められない」

「他社に転職しても通用しない」
そう感じることで、自己肯定感が低下し、仕事への意欲も失われてしまいます。

このような状況が続くと、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。部下の自尊心を傷つけるような上司の発言は、真に受けないようにしましょう。

自己肯定感とは?
他人との比較ではなく、良い面も悪い面も含めて自分そのものの価値を認め、尊重できる感覚を指します。例えば自分を優秀だと思っている(自己評価が高い)学生でも、「一流大学に入れなければ、自分には何の価値も無い」と考えているなら、自己肯定感は低いことになります。

このタイプの上司との付き合い方

優越感に浸る上司と上手に付き合うには、適度な距離感を保ちつつ、必要以上に感情的にならないことが大切です。また事実と意見を分けて受け止めることも重要です。

さらに上司の承認欲求を適度に満たすことで、無用な対立を避けることも有効です。自分の成長やキャリアに集中し、上司の態度に振り回されないよう心がけましょう

優越感に浸りたがる上司と付き合うポイント

  • 優越感に浸るための発言は聞き流す
  • 反論、意見は事実に基づいて行う
  • 上司の承認欲求を適度に満たす
  • 自分の目標や成長に集中する

Part2:怒ることで気持ち良くなる上司

怒ることで自分の存在感や権威を示そうとする上司も少なくありません。

このタイプの上司は、部下のミスや些細なことにも過剰に反応し、感情的に怒りをぶつける傾向があります。
怒ることで一時的にストレスを発散し、優越感や支配欲を満たしている場合も多いです。

しかし、部下にとっては萎縮やストレスの原因となり、職場の雰囲気や生産性の低下を招きます。怒りをコントロールできない上司のもとでは、健全なコミュニケーションが難しくなるため、注意が必要です。

怒りポルノとは

怒りポルノとは、他人を怒ることで快感を得る心理状態を指します。

この状態に陥った上司は、部下の失敗やミスを見つけては怒りを爆発させ、その反応自体を楽しむ傾向があります。

怒りポルノは、怒ること自体が目的化してしまい、建設的な指導やフィードバックとはかけ離れた行動です。このような上司のもとでは、部下が萎縮し、チャレンジ精神や創造性が失われてしまう危険があります。

怒り中毒とは

怒り中毒は、怒ることで脳内に快感物質が分泌され、怒りの行動が習慣化してしまう状態です。

このタイプの上司は、怒ることで自分の存在価値を感じたり、部下をコントロールしやすくなったと錯覚します。しかし、怒り中毒が進行すると、職場の人間関係が悪化し、離職率の増加や生産性の低下を招くことになります。

怒り中毒の上司には、冷静な対応と適切な距離感が求められます。

このタイプの上司との付き合い方

怒りをぶつけてくる上司には、感情的に反応せず、冷静に対応することが重要です。

上司の怒りの矛先が自分に向いた場合は、事実を淡々と伝え、必要以上に謝罪や自己否定をしないようにしましょう

また、上司の怒りのパターンを観察し、トリガーとなる行動を避ける工夫も有効です。どうしても耐えられない場合は、信頼できる同僚や人事部に相談することも検討しましょう。

怒ることで気持ち良くなる上司と付き合うポイント

  • 感情的に反応しない
  • 事実を冷静に伝える
  • 反論・意見を伝えるのは、他の人も同席している場面で行う
  • 信頼できる第三者に相談する

Part3:支配欲が強い上司とマイクロマネジメント

支配欲が強い上司は、部下の行動を細かく管理し、自由に仕事をさせない傾向があります。

いわゆるマイクロマネジメント型の上司は、部下の一挙手一投足に口を出し、細かい指示やチェックを繰り返します。

このような管理スタイルは、部下の自主性や創造性を奪い、ストレスや不満の原因となります。マイクロマネジメントが続くと、部下の成長機会が失われ、組織全体のパフォーマンスも低下してしまいます。

マイクロマネジメントとは?
上司が部下の業務や行動を細かく管理し、過度に干渉するマネジメント手法のことです。一般的には、部下の自主性や成長を阻害するとして、ネガティブな意味で使われます。

マイクロマネジメント的な会話例(⇒クリックすると開きます)

マイクロマネジメント上司(A)と事務スタッフ(B)の会話:

事務スタッフとウザい上司
A:「Bさん、例の企画書、進捗どう?見せてくれる?」

B:「はい、ざっと構成を考えてみたんですが…」

A:「ふむ。ちょっと待って。このタイトル、文字サイズが18pt?俺はいつも20ptにしてるんだけど。あと、このグラフの色、もっと明るい方がいいんじゃないか?あと、ここにこの文言はいらないな。削除して。」

B:「あ、はい。まだ仮なので、調整しようと思ってました。」

A:「いや、仮でも最初から完璧を目指さないと。あと、この箇条書きのインデント、揃ってないぞ。俺がいつも使ってるテンプレート使うのが一番早いんじゃないか?」

B:「…はい、そうします(ウザいなぁ)。そうして欲しいなら最初から言ってくれればいいのに」

マイクロマネジメントを行う上司の心理

マイクロマネジメントを行う上司は、部下を信頼できず、自分の思い通りにコントロールしたいという強い欲求を持っています。

また、過去に自分が失敗した経験や、責任を問われることへの恐怖心から、細かく指示を出してしまうこともあります。

この心理の背景には、自己肯定感の低さや、組織からの過度なプレッシャーが影響している場合も多いです。部下としては、上司の不安や恐れを理解しつつ、適切な距離感を保つことが大切です。

このタイプの上司との付き合い方

マイクロマネジメント型の上司には、こまめな報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底し、上司の不安を和らげることが有効です。

また、上司の指示を受け入れつつ、自分の意見や提案もタイミングを見て伝えるようにしましょう。上司の管理が過剰だと感じた場合は、業務の進捗や成果を数値やデータで示し、信頼を得る努力も大切です。

さらに過激な「クラッシャー上司」にも注意

支配欲が強い上司の中には、部下を精神的に追い詰める「クラッシャー上司」も存在します。

このタイプは、パワハラや過度な叱責、無理な要求を繰り返し、部下の心身に深刻なダメージを与えます。

クラッシャー上司のもとで働き続けると、うつ病や適応障害などのリスクが高まるため、早めの対策が必要です。限界を感じたら、社内の相談窓口や外部の専門機関に相談し、自分を守る行動を取りましょう。

クラッシャー上司とは?
業績は優秀ながら、精神的プレッシャーにより部下を休職や退職に追い込み、自らは出世していくような上司のことです。

「上司力」の低い上司の相手に疲れたら転職を視野に入れる

どれだけ工夫しても「上司力」の低い上司との関係が改善せず、心身に不調をきたす場合は、転職を視野に入れることも大切です。

無理に我慢し続けると、メンタルヘルスの悪化やキャリアの停滞につながる恐れがあります。

自分の価値観や働き方を見直し、より良い環境で成長できる職場を探すことは、決して逃げではありません。転職を考える際は、情報収集や自己分析をしっかり行い、納得のいく選択をしましょう。

転職エージェントの使い方

転職を検討する際は、転職エージェントの活用が非常に有効です。

エージェントは、あなたの希望や適性に合った求人を紹介してくれるだけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などもサポートしてくれます。転職サイトに掲載されている求人に自分で応募するよりも、マッチングの面で有利です。

また、職場の雰囲気や上司の人柄など、求人票だけでは分からない情報も提供してくれる場合があります。複数のエージェントに登録し、比較しながら自分に合った転職先を見つけましょう。

まとめ:「上司力」の低い上司に振り回されず、自分を守ることが大切

「上司力」の低い上司に悩まされることは、決して珍しいことではありません。大切なのは、上司の言動に振り回されず、自分の心とキャリアを守ることです。

適切な距離感や冷静な対応、信頼できる人への相談、そして必要なら転職も含めた前向きな行動を選択しましょう。
自分の成長や幸せを最優先に考え、健全な職場環境を目指してください。

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