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このシリーズ「新入社員、○○に出会う」は、新入社員が職場で遭遇する出来事や、ちょっと困った上司・先輩とのやりとりを、実体験風のショートストーリーでお届けする連載です。
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各話あたり3分程度で読めるボリュームで、モヤモヤの正体や対処法については後半でちょっとだけ解説します。
【悲報】「僕」、社会人デビューに失敗
内定から約半年後、ついに社会人デビューの日がやってきた。早速、僕は配属先で自己紹介をする(させられる)ことになった。
当然、何を話すかは決めてある。
大丈夫だ、己を信じろ…、と自分に言い聞かせたものの、頭が真っ白になってしまった。
ついでに喉もカラカラだ。
「特に趣味とかはありません。…えぇっと、あの、頑張ります」
我ながら、酷い自己紹介だった。緊張のあまり、あらかじめ用意していた内容が跡形もなく吹っ飛んでしまった。
続いて同期が自己紹介をした。
「学生時代は登山部の部長をしていて、(途中略)目標達成まで愚直にやり抜くのが得意です!」
僕の時には無かった拍手が起きた。
「おお、頼もしいね」
「今年の新人、良さそうじゃん」
自己紹介の出来なんて、実務能力とは関係ないはずだ。
なのに、僕と彼とでは周りからの扱いに差がついた…、ような気がした。
「これはやらかしたかも」と僕は思った。
扱いの差…それは気のせいではなかった
それから数日、電話対応やビジネスマナーの基本を教わることになった。
「じゃあ、まず一件、練習でかけてみようか」
先輩がそう言うと、隣にいたあの同期にはこう続けた。
「〇〇さんは筋がよさそうだから、この後の商談、一緒についてきてもらおうかな」
思わず、僕は自分の耳を疑った。
「なん…だと…」
同じ新人なのに、僕にはマニュアルのコピー取りが割り振られ、彼には先輩に同行して商談に向かった。仕事の中身なんて、まだ何も見えていないはずなのに。
「これはやらかした」と僕は確信した。
ポイント解説:ハロー効果とは

ここがポイント!
ここで起きているのは、いわゆる「ハロー効果」と呼ばれる心理現象です。
人は誰か(なにか)を評価するとき、目立つ長所(例:自己紹介が上手だった)があると、無意識のうちに全体的な評価も高くしてしまう傾向があります。
今回の例で、先輩は
「自己紹介が上手い → 能力も高い → だから商談に連れて行く」
と意識の上で(論理で)考えているわけではありません。
その他にありがちなこととして、
「見た目が整っているプレゼン資料は中身も良さそうに見えてしまう」
というのもハロー効果の例と考えられます。
失敗の傷跡は思ったより深い?
…その日、僕はテンションだだ下がりで帰宅した。自己紹介失敗の傷跡は思ってたより深いかも。
考えてみれば、就職活動の時から
「外見や第一印象ではなく、中身を見て欲しい」
…なんて言っても通じないのは自分でも分かっていたはず。今日のことは「社会人初日のやらかし」として記憶に刻まれるだろう。
同じ過ちを繰り返さないために自己紹介の練習をしておこう、と自宅でビールを飲みながら僕は思った。
次回は「新入社員、『何でも聞いて』『いちいち聞くな』の板挟みにあう」(予定)です。
