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このシリーズ「新入社員、○○に出会う」は、新入社員が職場で遭遇する出来事や、ちょっと困った上司・先輩とのやりとりを、実体験風のショートストーリーでお届けする連載です。
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各話あたり3分程度で読めるボリュームで、モヤモヤの正体や対処法については後半でちょっとだけ解説します。
第4話は、なぜ先輩や上司の自慢話には歯止めが聞かないのか?に関わる話です。
面談は誰のために
僕らが入社してから1週間が経ち、初めての1on1面談が組まれた。
メンターとなる先輩は開口一番に言った。
「困ってることとか、何でも聞いてね」
せっかくの機会だ。ちゃんと話を聞いてもらおう。
「えっと、覚えることが多くて、正直ちょっと不安です」
素直にそう伝えると、先輩は大きく頷いた。
「あー、それわかるわ。俺も新人の頃、同じような感じでさ」
先輩に共感してもらえて、少しほっとした。こういう時、自分の話を頭ごなしに否定されるのはつらいからね。
先輩はとにかく頑張った
さらに先輩は話を続けた。
「・・・でも俺の場合、1年目で〇〇プロジェクト任されちゃって、そこからはもう不安とか言ってる場合じゃなくてさ」
なるほど、先輩にも色々あったんですね。
「周りからは『君なら大丈夫!』って言われてて、それで必死で頑張って」
うんうん、先輩は頑張ったんですね。
「あ、こないだも部長に『お前がいたから助かった』って言われてさ〜」
それは良かったですね。ところで僕の不安については・・・
気づけば面談の予定終了時間はとっくに過ぎていた。僕の体感的には面談時間の少なくとも8割、いや9割が先輩の武勇伝で消化された気がする。
「じゃあ、また何かあったらいつでも相談してね!」
満足げにそう言って、先輩は軽い足取りで自席に戻っていった。
ポイント解説:メタ認知とは

ここがポイント!
自分の考えや行動を、もう一人の自分が少し離れた場所から見ているかのように把握する力を、「メタ認知」と呼びます。
上の例の場合、後輩に経験談を語ること自体は悪いことではありません。問題は「今この場が誰のための時間か」を、俯瞰して捉えられていない、というか、そもそも分かっていないことにあります。
「新人を励まそう」と思って話し始めたはずが、いつの間にか自分が気持ちよくなるための話になっている…。後輩を指導する立場にも関わらず、それに気づいていないことが問題です。
組織の中では立場が上になるほど他人からダメ出しをされる機会も減るので、自分の問題点には自身で気づけるようになる必要があります。そのための鍵となる能力がメタ認知です。
上司よ、あなたもですか
その日の帰り際、僕は上司に声をかけられた。
「○○君との面談はどうだった?」
「あ、はい、大変勉強になりました」
いかに社会人1年目と言えど、ここで面談の感想を正直に話すほど僕は未熟者ではない。
「そうだろう、そうだろう。彼をメンターとして教育したのはこの私だ。最初の頃は彼も人の話を聞くのが苦手だったが、私が根気よく指導して、それからというもの・・・」
おおっと、ここでまさかの第2ラウンド開幕。
正直、それからのことはよく憶えていない。きっと僕の脳が記憶することを拒んだのだろう。ふと気が付くと、僕はいつのまにか駅のホームで電車を待っていた。
