新入社員、帰宅難民になる|新入社員、○○に出会う vol.17

帰宅難民

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このシリーズ「新入社員、○○に出会う」は、新入社員が職場で遭遇する出来事や、ちょっと困った上司・先輩とのやりとりを、実体験風のショートストーリーでお届けする連載です。

※シリーズ記事一覧は こちら

各話あたり3分程度で読めるボリュームで、モヤモヤの正体や対処法については後半でちょっとだけ解説します。

目次

自然の力を舐めてはいけない、という原則

その日の天気予報は台風接近・大雨・暴風。

しかし総務からは昨日「明日は早目に出社するように」と通達があったらしい。

それって本気で言ってんの?冗談だったら早めにそう言ってほしい、今ならまだ許すから。

そんなことを思いながら、僕はなんとか会社に到着。

しかし暴風雨により主だった取引先は軒並み業務を休止したことが判明。

結局やることが無い社員は帰宅して良いことになったけど、電車は遅延に次ぐ遅延。帰宅には3時間かかってしまった。後で先輩から聞いた話では、それでもまだマシな方だったとか。

こんなことになるんだったら急に体調が悪くなったことにでもしてサボり、のんびり1日中ネット動画でも見ていれば良かった。

な~んにも決まっていない、という事実

後日、この件を社長が取り挙げた。さすがに今時それはないんじゃないか、となったらしい。

社長、グッドジョブ。僕の中で社長の評価が爆上がりした。

まぁ、今まで放置していたのは社長の責任でもあるんだけど。

その後、明らかになったのは

  • 災害時に出社すべきかどうか、誰が・いつ判断するか
    (特に社長が不在または連絡不能となった時など)
  • 災害時に社員にどのように連絡するか

どれも決まっていないし、今まで誰も気にしていなかったということ。何たる無責任だ。

しかも総務部長は何かある度、ほとんど形式的に「明日は早目に出社するように」と通達していただけの模様。

これを聞いて、僕の中で総務部長の評価が暴落したのは言うまでもない。

ポイント解説:「今回もきっと大丈夫」(そんなわけないのに)という心理

ここがポイント!
これには「正常化バイアス」という心理傾向が関係しています。

危険を知らせる情報を目のあたりにしても
「大したことない」
「自分は大丈夫」

などと事態を過小評価し、これくらいなら『正常』の範囲内だ、と思い込もうとする心理傾向を「正常化バイアス」と呼びます。

正常化バイアスには「こんなの大したことない」と思い込むことで不安を和らげる効果がある一方、災害時の対処を致命的に誤らせる原因にもなります。

国土交通省の資料よれば…
令和元年の台風15号の際の調査では、台風や地震の際の通勤に関するルールが「事前に定められていないし、連絡が来るかどうかも決まっていない」という企業からの回答が、調査の中で最も多い40.3%にのぼったことが分かっています。

BCP(事業継続計画)とは

BCP(事業継続計画)とは、災害や緊急事態が起きた際に事業を止めない、あるいは早期に復旧させるために、あらかじめ対応方針や手順を定めておく計画のことです。

災害時に社員の「前も大丈夫だったから今回も大丈夫だろう」のような判断任せにしないことで、被害を最小限にすることが期待できます。

実際、日頃からテレワークや時差出勤の運用を整えていた企業は、鉄道の計画運休の際にも大きな混乱なく対応できたと報告されています。

その後の顛末

それからしばらくして、うちの会社では総務部長の統括によりBCPを作ることになった。

そりゃそうだ。

部長、今回の(僕の)マイナス評価を帳消しにするのは並大抵のことではありませんよ。ここは1つ、気合を入れて頑張ってもらわないと。

誰かがケガをしたり、命を落としたりしてからじゃ遅いんだから。

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