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このシリーズ「新入社員、○○に出会う」は、新入社員が職場で遭遇する出来事や、ちょっと困った上司・先輩とのやりとりを、実体験風のショートストーリーでお届けする連載です。
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各話あたり3分程度で読めるボリュームで、モヤモヤの正体や対処法については後半でちょっとだけ解説します。
メルマガ配信リストを作ってみた
「メルマガを始めることになったから配信先リスト作って。ターゲットはフリーランスや士業とかで」
先輩からの依頼は唐突だったが、任された以上はやるしかない。
手作業でやったら何日かかるか分からないので、僕はAIツールを使ってみた。
「士業とかデザイナーとかのHPを検索、公開情報から配信リストを作って」
待つこと数分、100件近くのリストが完成した。
さすが僕、AIの申し子を(心の中で)自称するだけのことはある。
リストを見せたら、先輩の顔色が変わった
「できました! 98件です」
僕は得意げにリストを先輩に見せた。
「早っ!……ちょっと待って、これ、どうやって集めたの?」
「AIに頼みました。全部、ホームページに載ってる公開情報なので、問題ないと思います」
先輩が疑わしそうな目で僕を見た。その表情からは、先輩が「こいつ、大丈夫か?」と思っていることがありありと伝わってくる。
「公開されてるから問題ないって、ホントに言い切れる?」
言い切れる?と聞かれると、正直なところ言い切れない。えぇ、言い切れませんとも。
でも、公開されてる連絡先なんだからメルマガくらい送っても良さそうな気はする…。
ポイント解説:個人情報の定義は法律で決まっている

ここがポイント!
公開されていようがいまいが、個人情報は個人情報です。
「公開されている情報なら、自由に使っていい」と思い込んでしまうのは、よくある勘違いです。
個人情報保護法でいう「個人情報」とは、生きている個人に関する情報で、特定の個人を識別できるものを指します。氏名やメールアドレスはその典型で、ホームページに載っているかどうかは、定義の判断には関係しません。
言い換えると、何が個人情報にあたり、何が個人情報でないかは法律の定義によって決まります。あなたが個人的にどう感じるかは(少なくとも法的には)全く関係ありません。
公開されている情報であってもリスト化するなどして事業に使うのであれば、利用目的を明確にして本人に通知・公表するなど、ルールを守る必要があります。
※ここでの説明は一般的な内容です。具体的なケースについては、個人情報保護委員会や総務省などの公式情報、または専門家に確認してください。
自分がされたら嫌なことを他人にしてはいけない
結局、そのリストはいったん白紙に戻すことになった。
代わりに先輩と二人で、ホームページに「メルマガ登録フォーム」を設置し、自分から登録してくれた人にだけ配信する形に切り替えた。それからSNSで「メルマガ配信開始のお知らせ」を発信したりした。
考えてみれば(考えてみるまでもなく)頼みもしないのに毎週メルマガを送ってくる会社のことを好きになるわけがない。
危うく、僕は我が社を嫌いになってもらうことに全力を尽くすところだった。
今度ばかりは止めてくれた先輩に感謝せねば。
