新入社員、下請けイジメに加担する(未遂)|新入社員、○○に出会う

下請けいじめと著作権

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このシリーズ「新入社員、○○に出会う」は、新入社員が職場で遭遇する出来事や、ちょっと困った上司・先輩とのやりとりを、実体験風のショートストーリーでお届けする連載です。

※シリーズ記事一覧は こちら

各話あたり3分程度で読めるボリュームで、モヤモヤの正体や対処法については後半でちょっとだけ解説します。

目次

クライアントのものはクライアントのもの、デザイナーのものもクライアントのもの?

うちの会社の新サービスのロゴを、外部のデザイナーさんに制作してもらうことになった。

「あ~、これのココとココ、直してほしいんだけど」

今回は僕が連絡係となって納品物を確認、制作費の支払いも終わったのに課長が後から蒸し返してきた。

課長には途中で何度も確認をお願いしているはず。その時にちゃんと確認しなかったクセに、後から文句を言ってくるとは何事だ。

その時、先輩が動いた!

課長はさらに畳みかけてきた。

「その人には『今後の付き合いもあるかもしれないからタダで直して』って伝えてみて。嫌だって言われたら、安くやってくれる他のデザイナーに投げちゃっていいから」

僕は心の中で引っ掛かるものを感じながら、デザイナーに連絡すべく電話をかけようとした。

「いや、今どきそれはマズいですよ、課長!」

まさにその時、絶妙のタイミングで先輩が割って入ってきた。

ポイント解説:下請けイジメ、ダメ、絶対!

ここがポイント!
立場の弱い相手に無償で追加作業をさせるのは問題になり得ます。

今回の課長の依頼は一度はOKを出し、納品も支払いも終わった仕事にタダで修正させようとするものでした。こうした要請は「不当なやり直し」にあたる可能性があります。

発注側と受注側は対等ではありません。断れば今後の取引に響くかもしれないと受注側が感じてしまうので、法律が間に入って守る仕組みがあります。代表的なものが次の2つです。

  • フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律):
    2024年11月に施行されました。フリーランスに業務を委託する事業者に対して、取引条件の明示を義務づけ、受領拒否や報酬の減額、不当なやり直しなどを禁止しています。
  • 下請法(2026年1月から「取適法」に名称変更):
    委託事業者による不当な給付内容の変更ややり直しの禁止などを定めています。

今回のケースでいえば、デザイナー側に責任がないのに費用を負担することなく受領後にやり直しをさせることが問題になります。

さらに
「今後の付き合いのため」
「嫌なら他の人に頼む」

という言い方で相手が断りづらくすることも、立場の弱さにつけ込む行為と受け取られかねません。

また著作権についても注意する必要があります。

ロゴやイラストの著作権は、譲渡の契約がなければ制作者のもとに残ります。発注者が譲り受けたい場合は範囲を明確にして対価を払う必要があるため、無償で譲渡させる(譲渡するように半ば強要する)ことも問題です。

ただしこれらの法律には、発注側と受注側の規模や委託期間などの適用要件があります。個別のケースに当てはまるかどうかは、公正取引委員会などの公式情報や専門家に確認してください。

社会人って何て凄いんだろう(→実は凄くない)

今回は先輩が間に入ってくれたから良いものの、あやうく僕も下請けイジメに加担するところだった。

学生の頃には

「社会人って、あれもこれも1人で出来て何て凄いんだろう」

とか思ってたけど、最近では少しずつ認識が変わってきた気がする。

特に課長、あなたの言うことを鵜呑みにすることだけはやめよう。

自宅で缶ビールを飲みながら、僕は固く心に誓った。

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