限界になる前に考える|「仕事を抱え込んでしまうクセ」対策

仕事を抱え込む人

世の中には、他人に仕事を振ったり、頼るのがどうしても苦手という人がいます。

自分の仕事が溜まっているのに、他人の依頼を断るのも苦手だったりします。

そういった方が1人で頑張ることにより職場で高い評価を得られれば良いのですが…

  • 本来の期日に遅れてしまった
  • たまたま自分の不在時に問い合わせが有り、他の人には分からない状態になっていたせいで迷惑をかけた
  • 後輩に仕事を任せていないことで、育成を怠っていると思われた

など、残念な結果になることも少なくありません。

今回の記事では、ついつい仕事を抱え込んでしまう人の心理を分析しながら、その状態から抜け出すための対策を考えてみます。

目次

タイプ別分析:仕事を抱え込んでしまう人の心理

仕事を抱え込んでしまう人には、いくつかの共通した心理的特徴や行動パターンがあります。その背景には、責任感の強さや完璧主義、他人に頼ることへの抵抗感などが複雑に絡み合っています。

また、職場の雰囲気や過去の経験も影響していることが多いです。

ここでは、心理学や行動経済学の視点も交えながら、仕事を抱え込む人のタイプ別の心理を詳しく分析します。自分や周囲の人がどのタイプに当てはまるのかを知ることで、適切な対策を考える第一歩となるはずです。

心理学・行動経済学から見た「仕事を抱え込む心理」

心理学や行動経済学の観点から見ると、仕事を抱え込む人の心理には「自己効力感の高さ」や、反対に「自己肯定感の低さ」があると考えられます。

自己効力感が高い人は自分で何でもできると感じやすく、逆に他人に任せることで失敗するリスクを避けたいという心理が働きます。

一方で、自己肯定感が低いと
「この仕事を1人で終わらせることが出来ないなら、自分には価値が無い」
のように、仕事に対する能力を自分の価値そのもののように考え、思い詰めてしまいがちです。

自己効力感とは?
目標を達成するために必要な行動について、「自分ならできる」という自信や確信を指します。

自己肯定感とは?
他人との比較ではなく、良い面も悪い面も含めて自分そのものの価値を認め、尊重できる感覚を指します。例えば自分を優秀だと思っている(自己評価が高い)学生でも、「一流大学に入れなければ、自分には何の価値も無い」と考えているなら、自己肯定感は低いことになります。

さらに、タイプ別に分けて心理を考えてみます。

他人に頼むのが苦手/頼まれたとき断るのが苦手

他人に頼むのが苦手な人は、頼ることで相手に迷惑をかけるのではないかと心配したり、頼みごとをすることで自分の評価が下がるのではないかと不安に思うことがあるようです。

このような人は、周囲に助けを求めること自体に強い抵抗感を持っているため、結果的に自分一人で仕事を抱え込んでしまいがちです。

また、他人から頼まれたときに断るのが苦手で全て引き受けてしまう、という人も同様の問題を抱えることになります。

他人に教える間に自分でやった方が早いと思っている

「他人に教えるより自分でやった方が早い」と考える人は、短期的な効率を重視する傾向があります。教える手間や時間を惜しみ、つい自分で全てをこなしてしまうのです。

確かに教えるのは手間ですが、これが続くと自分の負担が増えるだけでなく、周囲の成長機会も奪ってしまいます。

このタイプの人は、長期的な視点でチーム全体の生産性を考えることが苦手な場合が多いです。結果として、仕事の属人化や業務の停滞を招くリスクがあります。

属人化とは?
業務の手順や内容、進捗状況などが、特定の担当者しか把握していない状態を指します。担当者不在の場合や退職した場合に業務が滞ってしまうリスクや、業務品質の低下につながる可能性があります。

この仕事は自分でないとダメだと思っている

「この仕事は自分でないとダメだ」と思い込む人は、強い責任感や完璧主義の傾向があります。

自分以外の人がやるとミスが起きる、品質が下がるといった不安から、仕事を手放せなくなります。また、過去に他人に任せて失敗した経験がある場合、その思い込みがさらに強化されることもあります。

他人に任せることの大切さを理解しつつも、いざとなると二の足を踏んでしまう、となりがちです。

他人の力を借りると自分の存在意義が下がると思っている

他人の力を借りることで「自分の存在意義が下がる」と感じる人は、自己肯定感が低かったり、職場での役割に強いこだわりを持っていたりします。

せっかく後輩が出来たのに、一向に仕事を振ろうとしない人などがこのタイプに該当します。結果的に、無理をしてでも自分一人で仕事をこなしてしまうことになります。

その他

上記以外にも、以下のようなことが考えられます。

  • 職場の人手不足や業務量の多さ
  • 上司による目標設定に無理がある
  • 社内システムの使い方についてなど、社員教育が不十分なため業務効率が悪い

このように職場環境や組織文化も大きく影響していることが多いです。

仕事を抱え込んでしまうデメリットとは?

仕事を抱え込むことには、本人だけでなく周囲や組織全体にもさまざまなデメリットがあります。

特に、長期的に考えた場合、生産性の低下やチームワークの阻害、本人の健康リスクなど多くの問題を引き起こします。

ここでは、本人・周囲・上司それぞれの視点から、仕事を抱え込むことのデメリットを具体的に解説します。

本人にとってのデメリット

仕事を抱え込む本人にとっては、心身の負担が大きくなり、ストレスや疲労が蓄積しやすくなります。また、業務量が多すぎてミスが増えたり、納期に遅れたりするリスクも高まります。

最悪の場合、残業の増加によって体調不良に陥ることもあるため、早めの対策が必要です。

周囲の人にとってのデメリット

仕事を抱え込む人がいると、周囲の人は仕事の全体像が見えにくくなり、情報共有や連携が難しくなります。本人が倒れたり休んだりした場合、急に業務が滞るリスクも高まります。

さらに、他のメンバーが成長する機会を奪われたり、チームワークが損なわれたりすることもあります。
結果として、組織全体の生産性や雰囲気にも悪影響を及ぼします。

上司の視点で考えてみる

上司の立場から見ると、仕事を抱え込む部下がいることで、業務の進捗管理や人材育成が難しくなります。
また、特定の人に業務が集中することで、組織全体のリスクマネジメントが不十分になりがちです。

そもそも適切な業務分担やサポート体制の構築するのが上司本来の役割です。

上司の役割を自覚している人であれば、
「1人で仕事を抱え込まないように。誰かから無茶振りされたり、遅れが発生しそうな際は早めに報告して欲しい」
と思っているはずです。

仕事を抱え込まないようにする解決策

仕事を抱え込まないためには、本人の意識改革だけでなく、周囲や上司の協力も不可欠です。

ここでは、自分でできる工夫や、周囲の人と協力して進める方法、周囲の協力が得られない場合の対処まで、解決策を考えてみます。

自分に合った方法を見つけて、無理なく仕事を分担できる環境を作るのに役立ててください。

自分でできる解決策

先に書いたように、本来チーム内で業務が適切に割り振られているかを確認するのは上司の役割です。

まずは、あなたが仕事を抱え込んだ状態であることについて、自分を責めるのはやめましょう。

その上で、現状を分析してみると

自分についての分析

  • 「自分でないと出来ない」と自ら抱え込んでいる仕事
  • 他人に教える手間を惜しんだ結果、抱え込んでしまった仕事
  • 「これを手放してしまったら、自分の存在価値が無くなる」と思い込んでいる仕事
  • 資料作成で必要以上のクオリティを追求するなど、求められていないのに自ら増やしてしまっている仕事

これらに思い当たるものがあったら、この機会に手放しましょう。そうしない限り、現状が変わることはありません。

他人に仕事を教えるのは時間がかかりますが、それを言い訳にしていたらいつまで経っても状況は変わりません。
「何が有っても、この仕事は3か月以内に手放す」
…のように、まずは決意することが大切です。

業務についての分析

  • 業務量そのものが多すぎる
  • 常に期日が近い仕事が重なっていて、同時並行で進める必要がある
  • 正規の指示系統を通さず仕事を依頼してくる人がいる

これについては、上司への相談が不可欠です。相談する上で、ただ「忙しい」と伝えるのではなく、自分が抱えている仕事をあらかじめリスト化するなど準備が必要です。

上司に確認してみたところ、

  • 「毎月〇日まで」と聞いていた仕事が、もう少し後でも良かった
  • 本来経理で処理すべき仕事を営業部でやるのが慣習になっていた
  • 営業担当が自分がやるべき仕事を、上司の許可を得ることなく勝手に事務にやらせていた

こういったことが判明することがあります。

本来の自分の仕事以外をやることで感謝される場合も有りますが、それでも自分を守ることが最優先です。
自分の限界を知り、無理をしない働き方を心がけましょう。

周囲の人の力を借りて出来る解決策

周囲の人の力を上手く借りるには、上に書いた現状分析が出来ている必要があります。

その上で、

  • 期日が重なっている仕事について担当を入替
  • 作業量が多い業務について工程を分解、複数人で進める
  • 後から入ってきた人、手が空いている人に積極的に仕事を任せる

など、周囲の人と協力することで仕事の負担を分散しやすくなります。定期的な情報共有や、困ったときに助け合う文化を作ることが大切です。

また、業務の進捗や課題をオープンに話し合うことで、チーム全体の生産性も向上します。お互いに声をかけ合い、無理をしている人がいないか気を配ることも効果的です。

それでも「やっぱり他人に依頼するのが苦手」と感じる場合

ここまでに挙げた

  • 現状を分析してみる
  • 業務をリスト化した上で上司に相談する
  • 周囲の人と情報共有、話し合う

当然ながら、これらも立派な業務の一部です。

「そういうのは苦手だからやりたくない、自分で抱え込む方を選ぶ」
という場合、それはもはや頑張りではなく、怠慢または自己満足であるという見方もできます。

経営者の視点から見た場合、
「○○さんは、頑張って1人で仕事を終わらせようとする

「○○さんは必要に応じて他人を上手く使い、期日までに毎回終わらせてくれる

いずれの評価が高いかと言えば、圧倒的に後者です。

周囲との人間関係にもよりますが、徐々にであっても周囲の人を巻き込んで仕事を進めることを学んでゆくべきでしょう。

もしも、上司や同僚の協力が得られない場合は?

上司や同僚が非協力的な場合、できることが大幅に限られます。

自分の身を守るために、状況を記録しておき、必要に応じて証拠として活用することも大切です。

業務過多の状況が長く続き、改善される兆候も無い場合は、社内の相談窓口や外部の専門家に相談するのも一つの方法です。

転職の可能性について考えてみる

仕事を抱え込んでしまう原因が、職場環境や人間関係の問題である場合は転職を検討するのも一つの選択肢です。

今の職場で頑張り続けることに無理がありそうであれば、自分に合った働き方ができる職場を探すことを検討すべきです。

転職を考える際は、焦らず情報収集を行い、自分の希望や条件を明確にすることが大切です。

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転職を考える際には、転職エージェントの活用が非常に有効です。

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また、職場の雰囲気や働き方についても事前に情報を得ることができるため、ミスマッチを防ぐことができます。
自分一人で悩まず、プロの力を借りて転職活動を進めることで、より良い職場環境を見つけやすくなります。

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